第146章

一方――。

星海グループの会議室。

さっきまで口が滑らかだった部長が、いまや水を打ったように黙り込む。ほかの面々も息を潜め、恐る恐る田中尚哉の顔色をうかがっていた。

機嫌は悪くなさそうだった田中社長が、スマホを一瞥した瞬間――表情が一気に陰る。

田中尚哉はSNSの一文を、ほとんど二分近く睨みつけたまま動かない。

そして唐突に立ち上がった。

「会議は続けろ。進行は助手に任せる」

それだけ言い捨て、踵を返して出ていく。

残された一同は顔を見合わせた。

社長は、いったい何を見たんだ……?

……

夕食の席で、大島莉理は父にコンサートのチケットを差し出した。

テーブルに置かれた...

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